HIRUMA MIKI
Beyond The Water Tower
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決してこの手の画を求め、時期を狙ったわけではなかったのです。(最近はそうすることも有るけれど・・)何も知らずに出向いた先には、満艦の花を身に纏った塔が待ち受けていました。
自分にとっての上州は寒く乾いた風とやせて埃っぽい土のイメージで塗りつぶされた無骨な印象の地でした。
しかし、そこかしこに散らばる春の気配の中、溢れんばかりに咲きほこる野の花々・・・無防備な心構えで飛び込んだ自分の意表をつくには十分な光景でした。
寒い季節の厳しさをかいくぐった、春の息吹が静かに降り注ぐ豊かな空間。その中心に身を置く塔たちは皆誇らしげにみえました。

 
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